父との死別「死んでくれてよかった」
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
こんにちは。
お酒と人間が大好きな大山です。
今回は少し重ための記事になります。
人の「死」について。
身近な人が亡くなった時、
あなたはこんな言葉を使ったことがありませんか?
□「お父さんは長い旅に出たんだね」
□「おばあちゃんは天国から見てくれている」
□「ペットのわんこは永遠の眠りについたのよ」
じつはこれらの言葉、NGワードともいわれています。
なぜなら、「死」という事実に対する喪失感を
受け入れることが出来なくなるからです。
私は高校3年生の時に、
父親の死を体験して、
喪失感(心にぽっかり空いた穴)を感じました。
言い換えるとなんともいえないあっけなさですかね。
生前の父との思い出
幼少期はかなり活発な父親で、
よく遊んでもらっていた記憶があります。
しかし、物心がついてからは
父は肝臓の病気にかかり、闘病生活が続きました。
当の本人はお酒を飲んで暴れるだけでしたが、
それによる被害の処理のため、
家族は崩壊。
私も心身ともに疲弊していました。
ある朝、急に父が血尿を出し、検査入院をすることに。
医師「覚悟していてください」
検査入院といって病院に行ったはずなのに、
病院について1時間後、
医師から
「ご家族様にお話があります。」
「あと(余命)半日ほどかと思います。
覚悟していてください。」
母はその場で泣き崩れました。
椅子に座っていられないほどに、、、。
病室に行くと、
父は何本もの管を身体につけており、
自分の力では排泄もできない状況でした。
母は泣きながら父の手を握っていました。
母が「まこが来てくれたよ」と父に呼び掛けても、
父「ま、こ、、、?だれ、、、?」
娘の名前すら分からなくなってしまった父の姿に
心臓をぐしゃっと鷲掴みにされたような
今までに経験のしたことのない衝撃が走りました。
消えていく父の魂
医師からの説明の二時間後。
喉に痰がつまり呼吸が出来なくなった父の手は
段々と弱弱しくなっていきました。
人が死ぬときはなんとも説明しがたい「違和感」があるんですね。
父の魂がスーっと抜けていくのを感じました。
私は霊感が強い方なので
より強く感じたのかもしれません。
もぬけの殻となった父の姿を見て、
物心ついてからほとんど呼んだことなどないのに
気付いたら
「おとうさん! おとうさん!!!」
と呼んでいました。
心の中の葛藤
父の手が硬くなって、冷たくなった頃。
泣き崩れる母の背中をさすりながら私が思ったこと、
それは
「やっと死んでくれたなぁ、、、。」
正直本気で思っていました。
思ってはいけないと分かっていても、
生前の家庭崩壊がつらすぎて、
本当に”やっと”解放される…。という気持ちでした。
こんな気持ちって普通の高校3年生が持つわけがないので
周りからは
「つらいよね」
とか
「これから頑張ってね」
とか
心の中では「なんで私が悲しいと決めつけるの?」
そんなこんなで
お葬式中もずっと
「亡くなって嬉しい気持ち」と「悲しい気持ち」
の葛藤でした。
父の死から7年後
人が一人亡くなるというのは本当に
周りの残された人間に
多大な影響を与えます。
7年程たったころ、ようやく
葛藤していた心の両方を認めることが出来るようになりました。
それには心理士さんやカウンセラーさん、
医師、友達など様々な人の支援があったからです。
身近な人が亡くなった日。
それは誰にとっても、
どんな形であっても、
間違いなく「記憶に残っている日」。
身近な人の死を乗り越えるために
身近な人の死に対して、思うことは様々。
「私が死ねばよかったのに。」
「もっと一緒にいたかった。」
「死んでくれてありがとう。」
「もう会えないのかな。」
どんな気持ちをもっても、それはあなたの大事な心。
間違っている心は一つもないのです。
大事なのは、自分の心と向き合うこと。
そして、向き合う時、それは
「心身ともに健康な状態の時」
沈んでいる時に、あえて沈むことを考えるのはやめましょう。
考えちゃうのはわかるけども"(-""-)"笑
まこの一冊紹介🎵
『子どもの喪失と悲しみを癒すガイド 生きること・失うこと』
リンダ・ゴールドマン著
天貝由美子 訳
「子どものための」と書いてはありますが、
子どもに対してだけではないと思います。
この本の内容は大人にも当てはまるものが多くあります。
例えば、
p.70「悲しみを解決する方法」
- お話をつくる
- 文章をかく
- 手紙をかく
- 詩
- エッセー
- 絵を描く
- 家系図を作る
などなど…
全ての年代に応用できるアイデアが
具体的に分かりやすく綴られています。
自分自身の心にぽっかり穴が空いた人、
これから親になり子どもに「死」を伝える人、
大切な人が「死」に直面して支援してあげたい人。
どんな立場の人でも
分かりやすく参考にできる本だと思います。
興味のある方はぜひ読んでみてください(⌒∇⌒)